指輪は美しさと実用性を兼ね備えたアクセサリーですが、特に高級ジュエリーにおいては見えない部分にも工夫が施されています。その中でも「裏抜き」という技術は、リングの内側に空洞を設ける加工方法で、コストパフォーマンスなど多くのメリットを持つ一方でいくつかのデメリットも存在します。この記事では、指輪の裏抜きの理由、メリット、デメリットについて詳しく解説します。
目次
1. 指輪の裏抜きとは?2. 裏抜きの理由
3. 裏抜きのメリット
4. 裏抜きのデメリット
5. まとめ
1. 指輪の裏抜きとは?
今回は、指輪の「裏抜き」についてお話していくのですが、初めて耳にした方もおられるのではないかと思います。
「裏抜き」とは、リングやピアス、ネックレス、ブローチなどに施されている加工方法の一つで、裏側の地金を彫っていることを言います。指輪の裏抜きとは、指輪の内側に空洞を設ける加工方法のことで、これは主に指輪の重量を軽くし、使用する貴金属の量を減らすために行われます。
わかりやすく説明すると、指輪の内側にある金属を一部取り除き、見えない部分に小さな空洞や凹みを作ります。裏抜きは光穴と同様、裏抜きがあるかないかで指輪のつけ心地が変わります。また、大きな溝に汚れがたまりやすいこともあるため、必ずしも必要な加工ではありませんが、美しく見せるため・通気性や適度な重さを残すためによく使用されている加工です。
リングの場合、基本的にリングの上部(リングの真横から上部まで)にかけて「裏抜き」します。リングの真下は、サイズ直しをする際に切断することもあり、リング真横には刻印が打刻されるため、リングをぐるりと一周したり、真下まで裏抜きをすることはありません。
また、結婚指輪や婚約指輪などは永く身につけるため、高級感はもちろん、するりとした指あたりのつけ心地が大事な要素になるため、裏抜きが施されているデザインは多くありませんが、幅のあるファッションリングや、大振りなブローチ・ピアスなどには裏抜きが施されているデザインがたくさんあります。
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2. 裏抜きの理由
冒頭でも少し触れましたが、指輪の裏抜きをする大きな理由の一つとして、「地金の重さを落とす」ことが挙げられます。
ジュエリーを見比べてみると、同じようなデザインのアイテムでもなぜか価格が数万円〜数十万円違うものがあります。その違いには色んな理由があるのですが、ジュエリーの場合、貴金属の重さが金額に影響するため、地金量の違いでも価格差が出るのです。
貴金属の種類(ゴールド、プラチナ、シルバーなどのg単価)×重さ+工賃がジュエリーの原価になるため、作りたいデザインや価格帯に見合うよう調整をする際に裏抜きや光穴の加工が加えられます。
また、ジュエリーは見た目と同じくらい手にとった時の重さも大事です。 あまりに軽すぎると安っぽさを感じてしまい、 裏から見た時にペラペラになるまで裏抜きがされていると、強度も弱くなります。一方で、重さがあると指が疲れてしまったり、装着感が損なわれてしまいます。そのため、裏抜きがある=粗悪品というわけではありません。裏抜きは、適度な重みを残しつつも、余分な地金をとる工程なのです。
※印台リングなど、リング上部と下部で厚みに差があるデザインのものにも裏抜きが施されることがあります。 理由は、リング型へ溶かした金属を流し込むキャスト(鋳造)の工程で、極端に厚み差があるものには金属がうまく流れないことがあり、キャスト不良を起こさず 厚みを均一にしたい場合にも裏抜きが施されます。
3. 裏抜きのメリット
指輪の裏抜きには、大きく3つのメリットがあります。それは、コストパフォーマンスの向上・デザインの自由度・宝石の輝きが増すことです。これらは私たちにとってとても嬉しいポイントなので、詳しくお話ししていきたいと思います。
コストパフォーマンスの向上: これまでにお話したように、指輪の裏抜きをすることによって使用する金属量が減るため、製造コストが抑えられます。これにより、とっても手頃な価格で高品質な指輪を購入することが可能となります。
デザインの自由度: 裏抜きを施すことで、デザインの自由度が高まります。例えば、大きな宝石を使用したものやデザインによっては裏抜きを行うことで重量を抑え、価格を抑えることができます。そうすることで、他のデザインに予算を使えるようになるため、より希望のデザインが作れるようになりバリエーションを増やすことができます。 さらに、裏抜きによって重さを抑えることができ、つけ心地が軽やかなるというメリットもあります。
宝石の輝きが増す: 裏抜きにより、リングの内側から光が入り込みやすくなるため、宝石の輝きが一層引き立ちます。特にダイヤモンドや透明度の高い宝石においては、光の反射や屈折が増えることで、宝石の美しさが最大限に引き出されます。
4. 裏抜きのデメリット
指輪の裏抜きには、メリットがある一方でデメリットもあります。こちらも頭の隅に入れておけば、これから素敵な裏抜きデザインに出会った時も、上手に指輪選びができると思います。
強度の低下: 裏抜きを施すことで指輪の重量が軽減される一方、強度が落ちるリスクがあります。特に日常的に指輪を着用する場合、外部からの衝撃や圧力に対して耐久性が弱くなる可能性があるため、特に細かいデザインや薄い部分においては、裏抜きの施し方に注意が必要です。
メンテナンスの難しさ: 裏抜きがあることで、汚れやホコリが溜まりやすくなる場合があります。特に細かなデザインや空洞部分が多い指輪では、日常的なメンテナンスが難しくなることがあるため、定期的なクリーニングが必要となり、その際には専門的な知識と技術が必要です。
カスタマイズの制限: 裏抜きが施された指輪は、後からサイズ直しやデザイン変更が難しくなる場合があります。特にサイズを大きくするための金属の追加や、デザインの変更には制限が生じることがあるため、購入時には将来的なカスタマイズの可能性も考える必要があります。
5. まとめ
指輪の裏抜きは、その美しさと実用性を両立させるための大切な加工です。しかし、素材の節約や軽量化・快適性の向上といったメリットがある一方で、強度の低下やメンテナンスの難しさといったデメリットも存在します。
これから指輪を選ぶ際には、デザインだけでなく、こうした裏抜きのメリット・デメリットを理解した上で、ご自身に合ったものを見つけてみてくださいね。
また、BRIGHT & BREEZYでは ラボグロウンダイヤモンドを使用したオーダーメイドジュエリーごご注文いただけます。オーダーメイドサービスでは、 お客様のご要望を第一に考え、経験豊富なコンシェルジュ、ジュエリーデザイナー・職人がお客様の想いをカタチにします。指輪の裏抜きデザインについてもご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
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